【野崎駅前歯科クリニック】歯科医良好!! #57
スポーツと歯の意外な豆知識
今年も野球が盛り上がった。私は大阪では数少ない日本ハムファンで、日ハムが頑張ってくれたので満足している。ただ、阪神ファンである妻がここ数年やけに偉そうなのが少々うっとうしい。日ハムといえば話題の尽きない新庄監督だが、職業柄どうしても歯に目が行ってしまう。
監督の真っ白な歯は天然ではなく、歯を削ってセラミックをかぶせたものだ。日本人の黄色みがかった歯にホワイトニングや保険のプラスチックでは、あそこまでの透明感は出せない。芸能人のきれいな歯も、矯正に加えて歯の前面や全周にセラミックをセットしていることが多い。見える範囲にセラミックを入れる場合、処置する歯は16本~20本以上。費用は数百万円に達することもある。人に見られる職業は何かと大変だ。
歯科の現場では、ラグビーなどのコンタクトスポーツで歯が脱臼したり欠けたりするケースが日常的にある。スポーツマニュアルには「抜けた歯は真水ではなく牛乳に漬けて歯医者へ」とあるが、現実にはそう簡単に牛乳は手に入らない。以前、誰かがプロテインに入れて持ってきた話も聞いたことがある。歯の結合面の細胞を生かすには体液に近い液体が望ましいため、手に入りやすいスポーツドリンクに入れて持参するのが現実的である。スポーツドリンクは体液の組成に近く、保存液として悪くない選択だ。
マウスピース作成も多く手がける。歯ぎしり用とは異なり、スポーツ用は競技に応じて厚めに作り、奥歯に力をかけられる設計になっている。自作キットでは性能が限られ、パフォーマンスを引き出すことは難しい。色は無機質になりがちだが、最近はカラフルや二色三色のトリコロールも選べる。ただし赤白の組み合わせだけは避けたい。戦う前から負けているように見えるからだ。
さて、日ハムといえば、私が北海道大学歯学部の学生時代に日本シリーズ優勝を経験したこともある。ある朝、同期の親友が学校に来ず、昼頃になって「日本シリーズのチケット一列取れた」とやってきた。我々5人で札幌ドームに乗り込むと、座席はなぜか縦一列で隣は見知らぬおっさん。盛り上がろうにも盛り上がれず、妙に記憶に残る応援となった。それでも日ハムの勝利は喜ばしいことだった。
スポーツと歯科には意外な関わりがある。試合中の歯の損傷や保護、見た目の美しさ、さらにはパフォーマンスへの影響まで。選手や芸能人の歯の美しさの裏には、見えない努力と技術、そして費用が隠されている。歯は単なる噛む道具ではなく、健康や生活の質、さらには笑顔や自信にも直結する重要なパーツなのだと改めて感じさせられる。
スポーツ観戦の楽しさと歯科の話が交錯するのも、歯科医としての特権かもしれない。見た目やケア、万が一の備えを知っておくことで、試合観戦や日常生活も少しだけ安心して楽しめる。歯の話は一見地味に思えるかもしれないが、日々の生活や趣味、スポーツにまで密接に関わっていることを知ってもらえれば幸いだ。

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