DAITOTIME7月号(Vol.78):【大東尚学館】教育クロストーク第5回

今こそ進化のチャンス

ICT導入で気づいた事
藤井 新型コロナウイルス感染症の影響で3月前半から5月末まで休園措置になり、必要なご家庭限定で園児を預かっていました。その間約70本の動画を撮影して保護者にYoutubeで限定公開したんです。手遊びや絵本の読み聞かせ、おやつのレシピで親子クッキングとかね。僕もエビカニクスを踊って撮影したり、手品を見せたりしましたよ。
塩沢 園長先生の動画は盛り上がりますよね。大東尚学館でも、3月からOn-line授業に切り替え、新たな発見がありました。対面授業では気づかなかった教科指導の可能性に気づけましたし、保護者懇談をオンラインで実施することでご家庭との繋がり方のヒントも得られました。
藤井 子どもの関わりは、オンラインではできないこともあるので、ICT化は難しいですが、例えば懇談は選択制にして、保護者のニーズに合わせていけるよう検討したいと思っています。入園説明会もホールで開催する準備をしながら、動画で園の状況を発信するような伝え方も準備していこうと計画中です。
塩沢 一番の発見は主体的に考えて学習する力の差が浮き彫りになった事。もっと子ども達に主体的に学ぶ力をつけてあげる必要性を感じました。
藤井 幼児教育も主体性が大事です。年長さんは運動会のクラス対抗リレーのチーム分けを子ども同士で話し合って決めます。子ども達の主体性を発揮させるその入り口がとても大事で、いかにうまく子ども達の内面を引き出すか。きっかけを作ってあげると自ら意欲的に取組めるようになります。
幼児教育で大事な事
藤井 当園では、読み書きなどの小学校の先取り的な結果重視の教育より、過程を大切しています。逆上がりができたとか、字が書けるとか、目で見て分かることより、友達とうまく関われるようになったとか、我慢ができるとか、非認知能力と言いますが、目には見えにくい育ちというのが、この時期には大事で、それが土台にあっての、小学校以上の認知能力になっていくと思っています。
塩沢 幼稚園の時期は覚えるより感じてほしいと思います。友達との関係、環境、転んだら痛いとか、うまくいかないことも感じてほしいですね。
藤井 例えば三輪車やおもちゃでも、あえて少なめにしてあるので揉めることもある。親から見たらネガティブなことの方が、逆に子どもにとったら成長の糧になるんです。年長さんになるとそれをどうやってお互い譲り合って使い分けるか話し合いをします。
塩沢 うちでは生徒達が教え合うことで、より深い学びができるよう指導しています。お互いがそれぞれの苦手を補い合うことで、先頭を変えながら集団で走っていく。すると個人ではたどり着けなかった世界までたどり着ける。そこが教育の醍醐味。そのベースは幼児教育で身につけていくのだと思います。
藤井 今後はAIが何でもしていく時代になります。でも多様性とか創造力とか、機械に取って代われない部分をいかに幼児教育の中で培っていくか。お互いが認め合ってそれぞれの良さが引き出せるよう、個性と多様性を大事にしていきたいです。

工夫して進化する
藤井 最大限の感染予防対策はしていますが、幼稚園で三密を避けることは無理です。そこを保護者にご理解して頂いた上で、幼稚園教育要領の領域や新学習指導要領の3つの柱等を踏まえてカリキュラムを再構築して、例年通りの「育ち」を願って保育を進めていきたいと思います。
塩沢 塾にとって感染拡大の危機に何もしないという選択肢は簡単です。休んでしまうのか、そのまま続けるのか、新たなことに挑戦して進化するのか。子ども達も同じで、不足、うまくいかない環境だからこそ工夫できる。進化できるのです。ご家庭でも、子ども達をよく見て、声を聴いて、親子で楽しんで進化する工夫を探ってほしいと思います。

教室名 大東尚学館
TEL 072-381-5154
ADDRESS 大東市浜町12-14駅北ビル3階