DAITOTIME6月号(Vol.77):【大東尚学館】教育クロストーク第4回 

10 年間で将来を描く
塩沢 同志社香里さんは自由な校風が特徴的ですね。

瀧校長 卒業生の約 95 %が同志社大学(または同志社女子大) に進学しますので、受験勉強をしなくていい分、 10 年間のびのびと、その先の将来に繋がる学びに力を入れています。

塩沢  大東尚学館の保護者の方も、将来のことを見据えた学校選びをされています。知 識の習得だけではなく、自分で考え、表現し社会で役立てることが求められるようにな ってきました。

プロジェクト型実習
 最近ではオープンスクー ルで、プロジェクト型実習の紹介をするようにしています。

藤井教頭  例えば中 1 の夏休みの課題で、旅行パンフレットを作ってもらっています。 いわゆる調べ学習ではなく、人に売り込むことを前提に考えます。メインテーマやキャ ッチフレーズ、地理や歴史はもちろん、現地の料理やお土産ですね。飛行機も実際の時 刻表を調べ、時差計算、為替計算、費用も計算します。
次に、 90 秒間のプレゼンテ ーションにまとめて発表、生徒同士お互いに評価・審査をして順位をつけ、表彰します。
更に各クラスの 1 位を集めた本選では審査員に旅行会社を呼んで、プロの目で評価をしてもらいます。最後に15 秒 のテレビコマーシャルの企画書を作らせ、これもプロに審 査してもらって実際に見積もりまで出してもらいます。
昔から本校は体験重視で 「本物を見せる」ことにこだわっています。

塩沢 見積もりは初めて聞きました。本物ですね。社会に出る第一歩を既に中学生から学んでいるのがすごいです。
自分で考えて情報を選んで、 他人にどう伝えるか、相手が何を望んでいるかを考えて表 現していくことが大事です。

藤井 生徒達には情報編集力が大事だと常に言っています。 また、うまくプレゼンできなくても学校は安心して失敗できるところ。失敗から多くのことを学んでくれています。

静と動・メディアの森

 今年、新しく「メディアセンター」の建設を予定して います。約5万冊の図書室で 調べ学習をし、パソコン・タブレット各 50 台を導入して、 情報を分析・整理する。さらにグループでディスカッショ ンをしたり、プレゼンテーションをして発信できる場を作ります。テーマは静と動です。

塩沢 中学生でこの環境がある場所はなかなかないです よね。ICT(情報通信技術)導入でコミュニケーションが欠けてしまったという話も随所で聞きます。コミュニケーションとコンピューティングを融合させていくということが、 これからの教育なんだろうと思います。

 コンピューターはコミュニケーションのツールに過ぎない。やはり対面で心を通わ せ、人を思いやることも大事です。本校はキリスト教主義の学校なので、聖書の言葉が、 子ども達が人間形成していく上でのよりどころにもなっています。

塩沢   中高生は心が揺れ動く時期なので、キリスト教主義の軸があると子どもたちに示 してあげやすいですよね。

  でもキリスト教だから何でも許せるのではないです。 池の中に同じ魚を入れているわけではなくて、大きい魚も小さい魚も争うことなく、そこで共存して個性を磨こうと いうのが同志社のいいところだと思っています。だから制服もないし、色んな個性のある生徒がいて、それを磨き合ってくれたらいい。自由だけどはみ出たら戻す、やはり自由の中に責任を持って学校生活を送ってほしいです。

塩沢   多様性が大事ですよね。色んな子が入ってきて色んな刺激を受けて。はみ出し たら戻してくれて、でもこの範囲だったら自由にやってごらんと言ってくれる大人がい る。中 1 から世界を見て、高校・大学でまた新しい刺激を受けて、最終的には社会に出 る。その姿に憧れて入ってくる子ども達がいる。どんどん広がって、繋がっていくとこ ろが素晴らしいと思いました。

教室名 大東尚学館
TEL 072-381-5154
ADDRESS 大東市浜町12-14駅北ビル3階