DAITOTIME12月号(Vol.82):【惠和会総合クリニック】The Doctors FILE#17

リモートワークがめまいを誘発！？

その「めまい」

良性発作性頭位めまい症かも？

新型コロナウイルスにより生活が一変しました。今年になって「めまい」の症状にお悩みの方が増えています。

めまいと言えば、「メニエール」を疑う方が多いのですが、メニエール病によるものが約２割であるのに対し、「良性発作性頭位めまい症」は約６割にも上ると言われています。このめまいは、長時間同じ姿勢でいることが原因で起こると考えられています。つまり自粛生活やリモートワークなどのデスクワークが増えたことが原因になっていることも考えられます。

良性発作性頭位めまい症とは、内耳の障害が原因で生じるめまいのひとつ。耳のいちばん奥にある内耳には、「聴覚」と「平衡感覚」の情報を電気信号に変えて脳に送る働きがあります。

内耳の中には炭酸カルシウムでできた耳石があり、頭の傾きに応じて耳石が動くと、「傾いている」という信号が脳に送られます。この耳石が何かの拍子で三半規管の中に入り込んでしまうと、三半規管内のリンパ液の流れが誘発され、実際に頭は動いていないのに、内耳から「動いている」という信号が脳に送られてしまいます。この情報のズレにより生じるめまいが良性発作性頭位めまい症で、１０～２０秒くらいで治まるのが特徴です。

約３割は自然治癒すると言われていますが、再発を繰り返したり、めまいがひどくなる場合は、脳腫瘍などの病気が潜んでいる場合もあるので、一度当クリニック耳鼻咽喉科を受診してください。