DAITOTIME8,9月号(Vol.79):【大東尚学館】教育クロストーク第6回

大人も子どももワクワクする教育を

塩沢 大東市教育長就任おめでとうございます。早速ですが水野さんが思い描く大東市の未来の教育はどうですか?

水野 第一に、子ども達が朝、今日は何が学べるんだろうとワクワク起きてきて学校に向かうような、そういう学校教育を実現したいなと。次に子どもと親が共に育っていく、地域がそれを支え合うような家庭教育の実現です。そして生涯学習という観点から、市民の皆さんが学び続けたい、繋がり続けたいと思える地域教育を実現したいです。

塩沢 個人の親が個人の子どもを支えるのではなく、たくさんの親が、たくさんの子どもを支えるスタイルというのが望ましいですよね。自分の子どもが学校を卒業してからも、地域の人がもっと興味を持って学校に関わっていく事が僕は望ましいと思っています。時代が変わり、子ども達の資質も価値観もすごく多様になってきた。多様な子ども達を多様な人達で支えてその子達が未来にワクワクしてほしいですね。

水野 最近は少し現実的過ぎる子ども達が多い。ワクワクするという経験が足りない気がします。

塩沢 子ども達がワクワクして夢を描けるようなビジョンを、周りの大人が作ってあげなきゃならないですね。

水野 そもそも周りの大人がワクワクできているか意識することが大切です。我々教育委員会がワクワクを創造しながら仕事をしていれば、学校や子ども達にもワクワクが広がり、明るい未来を創造していってくれると思っています。

塩沢 先生が淡々と授業をしていたらつまらないけど、ワクワクと授業をしていたら、子ども達に伝わって、苦手な教科も好きになりますよね。

水野 どうやったらワクワクが伝播していくのか考えた時に、学校裁量をもっと開放していくというのが私の考えなんです。今回コロナ禍においても様々な制約があったんです。学校ではWi-Fiがあっても動画が見れない、撮れない、発信もできない。メールアドレスは各校1つだけ。学校からアドレスを増やしてほしい、動画配信をしてあげたいからルールを変えてほしい、といろんな意見が出て
即断即決で教育長決済で全部OKした。先生方が素敵だなと思うのが、裁量が広がるとどんどん工夫やアイデアを出してきてくれるんです。

塩沢 校長先生方のマネジメント能力は素晴らしい。そこに民間が得意な、ゼロから新しいものを立ち上げる力や、逆転の発想がプラスされれば、学校はもっと面白くなって子ども達もワクワクする。

水野 ところがワクワクは続くと慣れてしまう。ワクワクする内容に個人差が出る。その時に必要なのがオンラインと思っています。学校教育ではどうしても授業を画一化せざるをえない。それに対し、例えば国語を極めたい子がいれば学年を超えて国語が学べるようなオンライン授業をしてはどうか。このように学びの個別最適化をテーマとして掲げたいと思っています。

塩沢 面白かったのが、普段賑やかだった生徒が、オンラインでは黙っているんですよね。逆にいつも控えめだった子がオンラインなら積極的になれる。力を伸ばせるんです。

水野 今後GIGAスクール推進事業で、小学1年生から中3まで一人1台パソコンを配布します。あらゆる子ども達が、いつでもどこでも教育にアクセスできる機会を確保する。コロナ禍で挑戦した工夫で終わらせず、どう授業を進化させるのか「創造的な復興」を目指します。

塩沢 例えば対面授業を劇場型だとすれば、オンラインはテレビ型。見せ方が違うんです。伝え方を研究して工夫して、とても授業が進化した。元に戻るのでは意味がない進化するんです。コロナで一斉に転んだけど、立ち上がればいいだけ。その時にできたら何かをつかんで、これで何かできないか考える発想を持っていくと子ども達も強くなれる。

水野 周りの大人もそういう意識で子ども達に接して欲しいですね。

教室名 大東尚学館
TEL 072-381-5154
ADDRESS 大東市浜町12-14駅北ビル3階